日本商工会議所は2026年9月25日、日商簿記3級の大問ごとの配点を2027年4月1日以降の試験から「第1問45点・第2問25点・第3問30点」にすると発表しました。合格基準の70点と、試験時間60分は変わりません。2027年3月31日までに受ける試験(2026年11月15日の第174回、2027年2月28日の第175回の統一試験、同じ期間のネット試験)は、これまでの配点のままです。
この記事では、何が変わるのかを新旧の表で確認し、受験する時期ごとに何を準備すればよいか、第2問の比重が上がることで勉強の配分をどう変えるかを、具体的な点数の計算で整理します。
この記事の結論
2027年3月までに受ける人は、今の勉強をそのまま続けて大丈夫です。2027年4月以降に受ける人は、配点に加えて出題区分表も変わるため、2027年度対応の教材で、第2問の練習量を少し増やすのが目安になります。
何が変わる?配点の新旧を1枚で比べる
変わるのは第2問と第3問の配点で、第2問が5点増え、第3問が5点減ります。第1問の45点と合計100点は同じです。
| 大問 | 主な出題(これまでの傾向) | 2027年3月まで | 2027年4月から |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 仕訳(これまでは15問) | 45点 | 45点(変更なし) |
| 第2問 | 勘定記入・補助簿・伝票・語句の穴埋めなど | 20点 | 25点(5点増) |
| 第3問 | 精算表・財務諸表・決算整理後残高試算表の作成 | 35点 | 30点(5点減) |
| 合計・合格基準 | - | 100点・70点以上 | 100点・70点以上 |
注意したいのは「2027年3月まで」の列です。これまで日本商工会議所は、試験概要で大問ごとの配点を示していませんでした。表の45点・20点・35点は、実際の出題や資格学校の分析で一般的とされてきた構成で、公式に公表された数字ではありません。今回の発表で、2027年4月以降の配点がはじめて公式に示されたことになります。
発表は3級だけが対象です。1級・2級・簿記初級・原価計算初級の配点と出題形式は変わらないと明記されています。原文は日本商工会議所のお知らせ「2027年度以降の日商簿記3級試験問題の配点について」で確認できます。
いつから?受験する時期で分かれる準備
新しい配点が使われるのは、2027年4月1日以降に行われる試験です。ネット試験・統一試験・団体試験のすべてが対象で、境目は受験する日です。申込んだ日ではない点に注意してください。
| 受験する時期 | 配点 | 出題区分表 | やること |
|---|---|---|---|
| 2026年10月〜2027年3月(第174回・第175回、この期間のネット試験) | これまでどおり | 現行版(2022年度適用) | 今の教材のまま。手形・小切手も出題範囲 |
| 2027年4月以降 | 45点・25点・30点 | 2027年度適用版 | 2027年度対応の教材に切り替える。第2問の演習を増やす |
| 3月に受けて不合格、4月以降に再受験 | 再受験から新配点 | 2027年度適用版 | 手形・小切手が範囲外になり、定率法などが加わる点を確認する |
いちばん迷いやすいのが3段目です。3月のネット試験に落ちて4月に受け直すと、配点だけでなく出題範囲も変わります。1か月の間に覚える論点が入れ替わるので、3月の時点で受け直しの時期を決めておくと、教材を二重に買わずに済みます。
第2問が25点になると、合格点の取り方はどう変わる?
配点が変わっても、大問ごとの正答率が同じなら合計点は変わりません。差が出るのは、得意・不得意がはっきりしている人です。第1問で13問(39点)取れた人を例に、第2問と第3問の出来ごとに合計点を計算しました。
| パターン(第1問は39点) | 第2問・第3問の正答率 | これまでの配点 | 2027年4月からの配点 |
|---|---|---|---|
| A どちらも同じくらい | 60%・60% | 39+12+21=72点 | 39+15+18=72点 |
| B 第3問が得意 | 40%・80% | 39+8+28=75点 | 39+10+24=73点 |
| C 第2問が得意 | 80%・40% | 39+16+14=69点(不合格) | 39+20+12=71点(合格) |
パターンCのように、第3問で崩れても第2問で取り切れば合格ラインに届きやすくなります。反対にパターンBは、同じ出来でも余裕が2点減ります。第3問の決算の練習だけに時間をかけ、第2問を後回しにする勉強の仕方は、これまでより不利になると考えておくとよいでしょう(ここまでは編集部の計算で、日本商工会議所の説明ではありません)。
第2問で点を落とさないための練習
第2問は、形式ごとに「何を書かせたいか」が決まっています。これまでの出題でよく見る形式と、練習のしかたを表にしました。
| 形式 | つまずく点 | 練習のしかた |
|---|---|---|
| 勘定記入 | 日付・相手科目・前期繰越と次期繰越の位置 | 仕訳を書いてから転記し、借方と貸方の合計が一致するかを毎回確かめる |
| 補助簿の選択 | 1つの取引で記入する帳簿がいくつあるか | 取引を仕訳にし、出てきた勘定科目ごとに対応する帳簿を書き出す |
| 商品有高帳 | 先入先出法と移動平均法の単価の決め方 | 同じ取引で両方の方法を作り、払出単価の違いを比べる(商品有高帳の書き方) |
| 伝票・仕訳日計表 | 一部現金取引をどう分けて起票するか | 取引を分解する方法と擬制する方法の両方で起票する(3伝票制と仕訳日計表) |
| 語句の穴埋め | 用語は知っていても意味を説明できない | 主要な用語を「〜のための〜」と一文で言えるようにしておく |
60分の時間配分の目安
時間は配点に合わせて少しだけ動かします。目安は、第1問15〜18分、第2問12〜15分、第3問20〜23分、見直し5分です。第2問は5点増えるので、これまでより2〜3分多く使う前提で練習しておくと、本番で慌てません。
配点と同時に変わる出題範囲も押さえる
2027年度の試験には、配点とは別に、改定された出題区分表が使われます。3級に関係する主な変更は次のとおりです。
- 紙の手形・小切手が出題範囲から外れる(電子記録債権・債務は引き続き出題される)
- 減価償却の定率法が、基本的な仕組みに限って3級の範囲に入る(2026年度までは2級の範囲)
- 商品売買で、販売のつど売上原価勘定に振り替える方法(売上原価対立法)が3級の範囲に入る
変更点の全体は2027年度の出題区分表改定のまとめで整理しています。定率法の計算は減価償却の計算(定額法・定率法・月割)、売上原価対立法は三分法と売上原価対立法の違いで確認できます。
よくある勘違い
| 勘違い | なぜそう思いやすいか | 実際 |
|---|---|---|
| 2026年度中の試験から新しい配点になる | 「2027年度」という言葉だけを見ている | 2027年4月1日以降に受ける試験から。11月・2月の統一試験は対象外 |
| 合格点も下がる・上がる | 配点の変更と合格基準を混同している | 合格は70点以上のまま |
| 2級の配点も変わる | 改定がまとめて報じられている | 今回の配点変更は3級だけ |
| 第3問はもう重要ではない | 5点減ったことだけが目に入る | 30点は依然として大きく、第1問に次ぐ配点 |
まとめ
- 2027年4月1日以降の3級は、第1問45点・第2問25点・第3問30点。合格は70点以上のまま
- 2027年3月31日までに受ける試験は、これまでの配点と現行の出題区分表
- 正答率が同じなら合計点は同じ。第2問が苦手な人ほど影響が大きい
- 4月以降に受けるなら、2027年度対応の教材で第2問の演習を増やす
次の一歩として、受験日を決めてから勉強時間を逆算しておきましょう。目安は簿記3級の独学の勉強時間とスケジュール、試験日の選び方は簿記3級の試験日と申込方法にまとめています。大問ごとの解き方は簿記3級の大問別の解き方で確認できます。
よくある質問
2026年11月15日の第174回は新しい配点で出題されますか?
いいえ。新しい配点は2027年4月1日以降に行われる試験からです。第174回と、2027年2月28日の第175回の統一試験は、これまでの配点と現行の出題区分表で行われます。
ネット試験も配点が変わりますか?
はい。発表では、ネット試験・統一試験・団体試験のすべてが対象とされています。ネット試験も、2027年4月1日以降に受験する回から新しい配点です。
2級や初級の配点も変わりますか?
変わりません。日本商工会議所の発表は3級のみが対象で、1級・2級・簿記初級・原価計算初級の配点と出題形式に変更はないと明記されています。
今持っているテキストは使えますか?
2027年3月31日までに受けるなら、現行の出題区分表に対応したテキストで問題ありません。2027年4月以降に受けるなら、手形・小切手が範囲外になり定率法などが加わるため、2027年度に対応した版を使うのが安全です。
執筆:ぼきの森学校 編集部 監修:公認会計士・税理士
情報確認日:2026年9月30日(配点は 日本商工会議所のお知らせ、出題範囲は 出題区分表のページ でご確認ください)
記事中の点数のパターンは、配点の違いを説明するために編集部が計算したものです。
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